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ブロック塀を解体・撤去する方法や費用を解説
2022.12.10
ブロック塀は、外から敷地内を見えなくすることや簡単に敷地内に侵入できないようにするといった防犯対策のためにご自宅に設置している方も多いでしょう。
しかし、外に設置されていることから雨にうたれるなどしてダメージが蓄積されています。
ブロック塀は耐久性や防犯性に優れているといった長所をもつ反面、適切なメンテナンスを怠ると倒壊のリスクがあるといったデメリットもあるのです。
毎年地震によって、いくつものブロック塀が倒壊しています。
家の周りにブロック塀を設置している方は決して他人事ではありません。
そういった事故を引き起こさないために危険な状態のブロック塀は解体をおすすめしたいのですが、業者に補強を依頼すれば大きな手間や工事費用が必要になります。
そこでこの記事では、ブロック塀がどのような状態だと解体すべきなのか、そして業者に依頼すると解体費用はいくらかかるのかについて解説します。
危険なブロック塀を放置しておくと、災害などで近隣に大きな迷惑をかける恐れがありますので、できるだけ早急に対応しましょう。
ブロック塀の劣化症状が気になり始めた方は、ぜひ最後までご覧ください。
古いブロック塀を放っておくとどうなる?
地震によるブロック塀等の倒壊により、歩行者が死傷する事故が繰り返されています。
1978年に発生した宮城県沖地震では、鉄筋が入っていない粗悪なブロック塀の下敷きになって18人の方が亡くなるという悲惨な被害が起こりました。
この悲劇以来、建築基準法によってブロック塀への規制が強化されていますが、未だに大きな地震が起こると、そのたびにブロック塀によって多くの被害が出ています。
一度ブロック塀を設置すると定期的な点検と補修を怠ってしまう傾向があるので、鉄筋によって補強されたブロック塀であっても経年劣化でいつ崩れてもおかしくない状態になっていることも多くあります。
痛ましい事故が起こらないためにもブロック塀等をご自宅に設置されている方は、定期的に点検を実施し、必要に応じて補強や解体をおすすめします。
解体したほうがいいブロック塀とは?
建築基準法に則ったものであれば、安全の基準を満たしているといえますが、ブロック塀も時間の経過とともに風化していきます。
ご自身の目で確認したとき、明らかに危ない場合は早急に解体しなくてはいけません。
安全なブロック塀とはどんなものかという基準に照らし合わせ、対して危険なブロック塀とは具体的にどのようなものなのかを見ていきましょう。
築年数が30年以上経過している
法律を守って作られたブロック塀でも、その寿命は30年くらいとされています。
長い年月で少しずつ風化していくことは、丈夫なブロック塀でも避けられないことです。
築年数がわかるのであれば30年を目安に危険と判断します。
見た目は問題ないようでも、中に使われている鉄筋は15年〜20年が寿命のため、錆び始めて徐々に強度が失われていきます。
30年も経過すると、ブロック自体が風化してちょっとした力が加わっただけで壊れることがあります。
建ててから30年が経過している場合はできるだけ早く解体しましょう。
または見た目が風雨で明らかに劣化しているものも要注意です。
傾きやぐらつきがある
明らかに傾いている、または手で押すとぐらつくなどの状態の場合は、地震の少しの揺れでも倒れたり崩れたりする恐れがあります。
傾きの原因としては盛り土の土圧により、ブロック塀が手前に押し出されている、もしくはブロックの中の鉄筋が強度不足ということが考えられます。
基礎が傾いていると、一時的に補強しても揺れや衝撃などに耐えきれない恐れがあります。
ひび割れがある
ブロック塀にひび割れがあると、そこから雨水が入り込んでどんどん侵食が進み、中の鉄筋を腐食させてしまいます。
こうなると耐久性が著しく落ちてしまい、やはり地震の揺れに耐えられずに崩れてしまう可能性があるでしょう。
小さなヒビ割れであれば、モルタルなどの補修材を使用してふさぐことができます。
しかし、ヒビが大きく広がっている場合は、基礎からズレていることがあるため、解体したほうがいいといえます。
塀の高さに見合う厚みがない
ブロック塀は2.2mまでと高さが認められていますが、違法な建築によってそれ以上の高さになっているものがあります。
ブロック塀は高ければ高いほど、当然厚みが必要になります。
具体的な目安は「高さ2mまでなら厚さ10cm、高さ2.2mまでなら厚さ15cm」です。
高さに見合う厚みがなければ、当然倒れやすくなるため、あまりに高いブロック塀は危険だといえます。
ブロック塀の高さは1.2m以下が理想です。
あまりにも高すぎる塀は揺れにより倒れやすいため、地面から2.2mを超えるもの、1.2m以上で控壁がないものは、解体するか補強して安全な状態にしましょう。
耐震補強されていない
建築基準法に従って作られたブロック塀は、基本的に大地震があっても簡単には壊れませんが、時間の経過とともに風化していくと倒壊しやすくなります。
ブロック塀の見た目も問題なく、15年が経過していないものでしたら耐震補強で強度を補います。
耐震補強用のアイテムは各メーカーから様々な種類のものが販売されていて、近年では狭いスペースでも設置できるものもあります。
自宅にブロック塀がある方は、安全に問題がないか一度確認しましょう。
透かしブロックが多すぎる
風通しや視界の悪さを緩和するための「透かしブロック」は、鉄筋を入れることができないため、あまりに数が多いとブロック塀全体の揺れへの抵抗力が落ちてしまいます。
透かしブロックは適正な数の使用が重要です。
控壁の設置が基準を満たしていない
ブロック塀には「控壁(ひかえかべ)」といって、裏側(敷地側)に塀と垂直になる方向へ飛び出した壁があります。
これによって一面の壁だけで立てるのではなく、支えを作ることで塀の強度を上げているのですが、この控壁は「塀の高さが1.2メートルを超えるとき、3.4メートルごとの間隔で設置が必要」とされています。
この控壁がない、もしくは間隔が広すぎると、ブロック塀が倒れる危険性が増してしまいます。
ブロック塀の解体費用
ブロック塀の解体費用相場は、5,000〜8,000円/㎡ですので、設置環境などによって多少変わりますが、3〜5万円程度が相場といわれています。
費用内訳は、人件費・運搬費・廃材処理代が主なものになります。
ブロック塀の大きさによって人件費と廃材処分費は変わりますが、運送費は工事規模にかかわらず発生します。
これらを合わせると、解体工事が小規模であっても5万円前後かかると思っておきましょう。
ブロック塀の周辺環境も解体費用に大きく影響します。
取り壊すブロック塀が道路側にあるのか、隣家との境界線にあるのかによっても費用が変わりますし、重機が使用できるかどうかも重要です。
上記の金額はあくまで相場でしかなく、現地調査を行わなければ正確な解体費用の金額を出すことはできません。
正確な費用が知りたい場合は、業者に見積もりしてもらいましょう。
ブロック塀解体には補助金が出る場合も
安全基準を満たしていないブロック塀の撤去は、街全体の安全性向上や危険防止の促進にもつながるため、ブロック塀解体工事には補助金を用意しているという自治体も多くあります。
すべての自治体で行っているわけではなく、また補助の内容も「工事総額の半額まで」「上限20万円」など自治体によってさまざまですが、条件に合うようなら積極的に受けていきたいですね。
工事が終わってから申請しても補助金は出ませんので、必ず工事をする前に申請してください。
すべての自治体で対応しているわけではありませんが、実際に地震による被害が報告されたことから、今後増えてくる可能性があります。
解体を考えている方は、まず自分の住む地域の役場に問い合わせしてみましょう。
ブロック塀を解体する流れ
実際にブロック塀を解体する際、一般的な業者は以下のような手順で作業を進めていきます。
近隣への挨拶まわり
家屋などの解体に比べればブロック塀の解体は短期間で済むとはいえど、近隣住宅には騒音やほこり・粉じんの舞い散りなど、ある程度の迷惑をかけることは避けられません。
そのため、作業に入る前には隣や向かいなど、近所の住民には解体業者の担当者とともに挨拶まわりをしておくことをおすすめします。
マーキング
解体する箇所に印をつけていきます。
コンクリートカッター入れ
マーキングに従って、ブロックに切れ目を入れていきます。
これらの作業を丁寧に行うことによって、仕上がりの美しさが変わってきます。
解体作業
実際の解体は、ブロック塀の規模によって機械を使用しての手作業になるか、重機を用いるかはまちまちですが、コンクリート破片や粉じんの飛散を防止する作業なども必要とするため、通常はある程度の人数を確保して行われます。
ガラ処理
解体して出たコンクリートのガラを、産業廃棄物として処分場に運搬します。
小口補修・清掃
全体ではなく一部を解体した場合、崩した端の部分をセメントで補修します。
この作業を怠らないことで、美観を損なわずに解体が完了するのです。
ブロック塀を解体する際の注意点
ブロック塀の解体は敷地と敷地の境界上に建っているため、近隣とのトラブルが起こりやすい工事です。
ブロック塀を取り壊そうとしたけれど、そもそも自分の所有物ではなかったというケースもあります。
トラブルにならずに解体工事をするためにも次の点に注意してください。
ブロック塀の所有者を明確にする
ブロック塀の役目のひとつとして「敷地の境目になる」というものがあるため、所有権の問題が発生することがあります。
まずは、そのブロック塀の所有権が誰にあるのかを必ず事前に確認するようにしましょう。
間違いなく自分に所有権があったとしても、隣との境目にブロック塀がある以上、もしかしたら隣の住人は自分に所有権があると思い込んでいるケースなどもあります。
その場合、もし解体の準備を自分だけで進めてしまうと後々大きなトラブルに発展しかねません。
所有権に関してだけではなく、いろいろな点で隣人と確認し合い、コミュニケーションをとりながら話を進めていくようにしましょう。
解体工事をすることを隣の家に相談し現地調査に立ち会ってもらう
ブロック塀を解体する際は、隣人から解体するための許可が必要ですので、第三者である解体業者の存在が役立ちます。
ブロック塀がいかに危険な状態なのかを、第三者で専門の知識がある業者が隣人に説明してもらうことで、解体の許可をもらいやすくなります。
補助金の申請は早めに
前述の補助金を受けるつもりであれば、申請手続きは早めに行いましょう。
工事の後になってから申請しても受け取れないことが多いため、自治体ごとの手順をあらかじめ確認しておくようにしましょう。
まとめ
今回はブロック塀の解体についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
ブロック塀は耐久性が高く、30年ほどメンテナンスが必要ないと言われていますが、耐用年数内であっても劣化症状が出てしまうこともあります。
傾きや鉄筋の腐食などの劣化症状は放置しておくと倒壊につながりかねないため、解体の目安となるサインを見逃さないことが大切です。
ブロック塀に関する正しい知識を得て、適切な時期にメンテナンスをおこなうようにしましょう。
外構工事をお考えの方は、住まいるヒーローズにお任せください。