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モルタル造形とは?特徴、表現できるデザインの紹介

2022.12.09

モルタル造形とは

モルタル造形はデザイン性が高く、店舗の内装にも取り入れられている施工方法です。

今回は、モルタル造形の特徴や表現できるデザイン、施工方法を解説します。

モルタル造形とは

モルタル造形とは、建物の壁や塀などに塗ったモルタルに彫刻・エイジング塗装によって木や石やレンガなどの形を施す技術です。

モルタルとは、セメントに砂を加えて水で練り合わせた内装材です。

モルタル造形は、塀や門柱、レンガ、塗壁、木などに施すことができます。

やり方を簡潔に説明すると、モルタルを塗ってから乾いて固まるまでに、専用の道具で石や木などの形に削ったり撫でたりして作りたいものを造形して後日に塗料で石や木の色に塗って仕上げます。

日本にモルタル造形がやってきたのは、ディズニーランドの建設時に外国の職人さんたちが伝えたと言われていますが、実はもっと昔からこのような技術は日本にもあったようです。

実は日本の「鏝絵」(こてえ)が発祥という説もあります。

鏝絵とは、日本古来からの建材である漆喰(しっくい)で龍や花などを鏝で表現しているものです。

この鏝絵は漆喰を様々な形や大きさのコテを使って漆喰を少しづつ盛りながら表現するので、かなり高度な技術が必要です。

それに比べてモルタル造形は、ある程度モルタルを盛ってから削ることで、好きな形に仕上げることができるので、モルタルを触ったことがない方でも始めやすい技術です。

モルタル造形は近年徐々に流行ってきている最新の建築装飾技術でもあります。

モルタル造形の特徴

モルタル造形には、デザイン性の豊かさを始めとする特徴があります。

ここでは、そんなモルタル造形の特徴を詳しくご紹介します。

さまざまなデザインを表現できる

モルタル造形なら、さまざまなデザインを表現できます。

掘り出したり付け足したりして成形するため、大きさや色、欠けの具合、錆びなどを自由にデザインできます。

例えばヨーロッパの古城や童話の世界の雰囲気などは、モルタル造形ならではのデザインといえます。

一方でモルタル以外の素材を成形しようとすると、素材の性質からデザインに限界が生じます。

例えば実物のレンガを今にも崩れそうなデザインに成形しようとすると、強度がなくなる危険性があります。

耐久性の問題から建築基準法に違反するケースもあります。

モルタル造形なら、このように実物では表現できないデザインを表現することも可能になるのです。

他の素材と組み合わせられる

モルタル造形は他の素材との組み合わせられるので、質感や形状、雰囲気などのパターンを増やせます。

例えば発泡スチロールで下地を形成したうえにモルタル造形を施すことで、他の素材では難しい複雑な形状を表現できます。

他にも組み合わせる木材の色によって、作り出されるモルタル造形の色が変化します。

無塗装の天然木材と組み合わせると無機質な雰囲気をほどよく抑えられ、焦げ茶色の木材と組み合わせるとモダンな雰囲気の演出が可能です。

施工費用を抑えられる

モルタル造形の主な材料は比較的コストのかからないセメントや砂から作られるため、施工費用を抑えられます。

また既存の下地(外壁や擬木など)を用いることができるため、材料費と工賃を抑えられます。

天然素材(天然石や岩など)からオブジェを造ろうとすると、モルタル造形よりも材料費がかかります。

また大きな石材を搬入する機材が必要になると、運搬費もかかってしまいます。

手入れしやすい

モルタル造形には、手入れしやすいという特徴があります。

モルタル造形はアンティークな風合いを再現する工法であり、あえて少し汚れたように塗装するためです。

自然に汚れが付き始めるとさらに馴染んできますので、基本的に日々のお手入れは不要です。

しかしモルタル造形は、紫外線や風雨などへの対候性が低いというデメリットも。

屋外にある外壁や門扉などに施す場合は、1〜3年を目処に保護膜となるクリア塗装を再塗布すると長持ちします。

重量がある

モルタル造形には重量がある点にはご注意ください。

天井へ施工する場合にはモルタルを厚くできないため、デザインの自由度が制限されます。

また一般的にモルタルの厚みを10mm〜15mm程度にしますが、20mm以上の厚みを必要とするデザインもあります。

モルタルの厚みを厚くする際は、塗りつけるモルタルの重量に耐えられる下地作りが求められます。

さらにモルタルを塗る重量が多いと剥がれ落ちる危険性があります。

3〜4回に分けて薄く塗り重ねることが、安全に施工するポイントです。

モルタル造形で表現できるデザイン

モルタル造形の特徴を生かすことで、さまざまなデザインを実現することが可能です。

モルタル造形を取り入れる際に、代表的なデザインをいくつかご紹介します。

レンガ風

モルタル造形ではレンガ風のデザインを自由に表現でき、飲食店や販売店などに積極的に採用されています。

さまざまなテイストがあり、例えば目地の通った綺麗なレンガや改修を重ねて年季の入ったレンガ、空虚感を感じさせるレンガなどがあります。

なお、実際のレンガの積み方には、代表的なものにイギリス積みとフランス積みがありますが、モルタル造形ではレンガの積み方を再現するデザインも可能です。

レンガの大きさや形、色までこだわることができます。

木材風

モルタル造形なら、木材風のデザインを再現することも可能です。

造園のステップや階段、店舗のフローリングや天井、看板などに対して木材風のデザインを施せます。

モルタル造形の自由度を生かして、年季の入った樹木や製材した綺麗な木目、大きな樹木の樹皮などを再現することが可能です。

樹木の形や味わいを細部までこだわることができます。

そしてモルタル造形では、仕上げたデザインを変化させることなく長持ちさせやすいです。

本物の木材を使用する場合には、素材やデザインに制限がかかります。

また、木材の経年変化によって、腐食や浸食などが発生する場合もあります。

石積み風

石積み風のデザインも、モルタル造形で表現できます。

内外装の壁面をはじめ暖炉や玄関ポーチなどにも用いられて、お城の石積のようなデザインを表現するため役立ちます。

他にも材料の厚み次第で重厚なものから大理石のような高級感のあるデザインまで、自由に造り上げることが可能です。

古くなった壁やブロック塀を壊して作り直さなくても芸術的な風合いに生まれ変わらせることができます。

しかし、積み方や割り方のセンスが完成度に大きく影響する為、モルタル造形のなかでは比較的表現が難しいデザインです。

竹材風

型を引くことで竹模様を仕上げることができます。

本物の竹とは異なり、経年劣化によって傷みが生じにくく、手入れに手間がかかりません。

ただし建築基準法により、屋根や外壁などの外装には不燃材を用いることが定められています。

本物の竹を外装の下地に利用する場合には、法令に違反しないかを確認してください。

モルタル造形の工程

次に、実際のモルタル造形の施工方法を解説します。

通常の塗装や左官の施工方法とは異なりますので、各工程のポイントを押さえましょう。

モルタル造形に適した下地を選ぶ

まずはモルタル造形に適した下地を選びます。

下地には、モルタルの重量に耐えうる素材を選んでください。

軽量なだけで仕上げは塗装や軽いタイルにしか対応していないものは、モルタル造形のような重量がある施工には適していません。

一般的に以下のような素材が適しています。

・セメントブロック
・モルタル仕上げの部分
・ラス下地
・コンクリート
・モルタルを塗るためのパネル(ラスカットなど)

モルタル造形に適した下地は、造形する箇所の素材によって異なります。

施工箇所に適した素材が分からないときは、施工業者にご相談ください。

下地作り

次に、下地用のモルタルを塗装します。

モルタル造形において、下地用のモルタルを塗装することは、例外なく必要な工程です。

理由は、モルタル造形は重量があるのと、デザインによっては一部が極端に薄くなることがあるからです。

下地用のモルタルを塗装する際は、メッシュやくし引き柄が使用されます。

メッシュやくし引き柄は、モルタル造形工程のミスを減らすために使用されます。

下地作りをしないと、単純にひび割れが起きやすくなったり、剥離が起きる恐れがあります。

モルタルで造形する

下地用のモルタルが十分に乾いたところで、いよいよモルタルで造形します。

この乾燥のための養生期間は、気温や湿度にもよりますが、夏場で3日間が目安です。

ただ3日間が最適かというとそうではありません。

しっかりとした工程で行う場合は7日ほどは乾燥の期間をとりましょう。

まずは吸水調整材を塗ります。

吸水調整材が乾いたら、モルタルを練っていきます。

モルタルを混ぜる時に必ずしなくてはいけないのは、練りおきです。

練りおきとは、モルタルを混ぜた後にすぐ使うのではなく、3分から5分ほど寝かせる行為のことです。

この練りおきはなんのためにするのかと言うと、モルタルを練ると、モルタルと水だけでなく余計な空気も練りこまれます。

そのモルタルを少しだけ置くことで、空気が抜けて最初に練った時よりも少し硬化しているような感じに硬くなるのです。

練りおき後にもう一度混ぜたら塗っていきます。

モルタル造形に必要な厚みは15mm以上ですが、この厚さまで一度に塗るとモルタルが剥がれて落ちてしまいます。

剥がれずに塗るためには、「擦り塗り」が必要です。

擦り塗りはコテで薄く塗ることを言うのですが、ただ薄くではなく、下地のくし柄の奥までしっかりと入るように押えながら、ガリガリと擦る音がするぐらいで塗ります。

これはまず下地のくし柄にしっかりと密着させるために必要なやり方です。

擦り塗りができましたら、モルタルを盛っていきます。

この時に擦り塗りの面積が大きすぎると、2回目に塗る時に擦り塗りの部分が乾いてしまい二回目の密着が悪くなるので、手早く2回目を塗ることができる面積ごとに擦り塗りをしていきます。

カービング

塗り付けたモルタルが固まる前に、本物感を演出するカービング(ナイフで削ったりブラシで叩いたりする作業)を行います。

なおデザインによっては、固まりだしてから削る作業も行われます。

ベース塗装

乾燥ができたら、ベース塗装を行います。

ベース塗装は、下地用の塗装と同じく大事な工程です。

モルタル造形の耐久性に大きく影響するからです。

ベース塗装をおろそかにするとモルタルがひび割れたり、ひび割れが原因で雨漏りが起きたり、雨漏りによって下地からモルタルが剥がれたりする危険性が高くなります。

ひび割れなどの劣化対策として、耐候性のあるコーティングを施します。

シーラーと呼ばれる塗料を塗ることで、モルタル造形の下地まで塗料が入り込み、内部まで固められます。

シーラーを塗って乾いたら、外壁用の仕上げ塗料で全て塗りつぶします。

内装なら1回塗り、外装なら2回塗りです。

こちらもモルタル造形の耐久性に大きく関わる重要な工程です。

エイジング塗装

次に、エイジング塗装をしていきます。

エイジング塗装とは、石や木などに見えるように絵を描く工程です。

表現方法に関しては自由ですが、使用する塗料は、色あせなどが起きにくいエイジング塗装に適した塗料を使用することをおすすめします。

クリヤーコーティング

最後に、クリヤーコーティングをします。

クリヤーコーティングは色を保護するためで、雨を通さない防水効果はありません。

雨を通さないようにするにはベース塗装をしっかり行ってください。

クリヤー塗料は、紫外線から薄く着色するエイジング塗装の色を守る効果があります。

長くなりましたが、以上がモルタル造形の工程になります。

まとめ

モルタル造形で表現できるデザインは幅広いので、ぜひ取り入れていきたいですね。

モルタル造形をお考えの方は、住まいるヒーローズにお任せください。

ご相談やお問合せもお気軽にお待ちしております。